直流コンパレータ抵抗ブリッジ(DCC)は中間域抵抗の一次校正では主力の計測器です。
計測精度は10-7あるいはそれ以上で、各所で運用されています。
これは、INRIM(イタリアの国研)の研究者が報告した論文の前書きの文章です。
現実、日本の国研、校正機関、民間校正機関でも活用されています。
なお、この計測器は以前からあるブリッジ(ホイートストンブリッジ等)ではありません。
論文:Verification of the Main Ratios of the 6010C Automatic Bridge Used for Resistance Measurement
既存の市販抵抗ブリッジの”比率評価”の手法を紹介しています。
前書きで、”得られた結果に基づいて、導入された検証方法は、あらゆる測定室で使用されるMI6010C DCCブリッジの検証に確実に使用できます。”と紹介しています。
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この手法は、既存の市販抵抗ブリッジに活用いただけます。
英文では
Based on the obtained results, the introduced verification method can be reliably used to verify any MI6010C DCC bridge that serves at any measurement laboratory.
本当に使える抵抗ブリッジを選択するための作業です。
ステップ1:ブリッジメーカ、各種論文から情報収集します。
ステップ2:試しに、使ってみます。
例えば100Ωの抵抗を10μΩの不確かさ以下で校正できることを目指すのあれば確認する必要があります。
お客様自身できる方法で、実施してください。
因みに、抵抗ブリッジのメーカは数社です。
この数社が世界のユーザ(校正機関)に抵抗ブリッジを提供しています。
ユーザの所属機関は、国研機関、校正機関、民間会社の校正部門、精密計測を探求する機関です。
そしてユーザは校正のスペシャリストです。使用報告を、各種論文に投稿されています。
これは、メーカとユーザの信頼関係はあって初めて成立する内容です。
直流抵抗ブリッジの動作には、世界中の技術者は興味を持たれるのだろう。
某国研の技術者は理解された内容を論文で紹介していた。
ユーザはセトルタイム(計測電流の極性切換時間:チャートのtFCの1/2)、計測電流Ixを設定する。
(チャート図の説明)
ある極性の計測電流を流す。
電流値は徐々に増加、その変化する電流値に従って被校正の抵抗器に電圧が発生する。
変化する計測電流が一定になったタイミングで過渡的は電圧が発生する。(点線)
前記の一定になったタイミングから時間twを待って計測を開始する。(tsの間に) tsを待って計測電流を切り替える、
といった内容でした。
ppm以下の不確かさで計測する工夫です。
某公的機関の抵抗ブリッジに対する要求仕様:
100μΩ~100MΩの被校正の抵抗値、0.1~100Aの電流源で精度は0.1μΩ/Ωであること。
ただし、最も重要な要求事項は被校正の抵抗値中間域の校正データの収集、平均値を求めるまでの時間は5分以内に実現できること。
これが実施できるのはMIブリッジだけです、とコメントを戴く。(感謝)
G minimum requirements for the resistance ratio bridges require a resistance range of 100 μΩ to 100 MΩ, and a source current range of 0.1 to 100 mA with a basic accuracy of 0.1 μΩ/Ω. Most importantly, the resistance bridge must be capable of performing middle range measurements rapidly with results averaging 30 readings in five
抵抗ブリッジとはどんな装置?とお客様に質問すると、精密抵抗計測に使用するダイヤル操作の手動装置、使いにくい装置、今はもう余り使われていない装置、という誤解が多い。
現実には、校正機関では最高精度の計測器として使われてますし、操作は全自動、計測結果はパソコンで自動収集とする、という具合です。