中国IHEPがMIのDCCTの校正システムを導入していますが、その結果をIPAC2019で報告。校正システムの基本原理は直流抵抗ブリッジであること。DCCTの校正を400Aまで実施、不確かさは1.1ppmであった。
COMPARISON OF CERN AND METAS HIGH CURRENT STANDARDS UP TO 10kA
大型ハドロン衝突型加速器(LHC)粒子加速器プロジェクトでは、超伝導磁石への電流の制御に前例のない精度が必要になります。
CERNでは、国の基準に対する電流値のトレーサビリティを確保するための校正設備を開発しています。
10mAから5AまでのCERN電流測定チェーンのトレーサビリティは、METASでの定期的なキャリブレーションによって保証されています。
さらにkAレベルで「直接のトレーサビリティループ」を完了するには、研究所間の比較校正が必要でした。
この論文は、10kAの電流までのCERNとMETASの比較校正の結果を報告しています。
CERNでは、MIの20kAのレンジエクステンダを活用しています。MIのシステムを使っていただきました。
中国IHEPがMIのDCCTの校正システムを導入していますが、その時の様子はWebで紹介しています。
導入前の検討時、複数のメーカで動作比較を行い、最終決定に至った、との報告が漏れ伝わっています。
このプロセスは、CERNでもあったことです。
CERN 報告書から抜粋です。
(CERN、更には後年、IHEPは校正システム導入に時間を要されました。)
DCCT等、人工物の特性は必ず、変化します。
この特性変化を把握する校正の実施は、本当に必要かどうかを考えなけばなりません。
この回答に考慮すべき項目の一部は以下と考えております。
– 長期のDCCT出力の安定性は、適用するアプリケーションで重要な要件ですか?
– DCCT出力で長期のドリフトはどの程度か?
– 異なるDCCTを組み込んだ電力変換器間で計測結果を検証する必要がありますか?
– DCCTを更新した結果、その影響を考える必要がありますか?
たとえば、出力がドリフトした DCCT を交換すると、計測結果が見かけ上ジャンプしたように見える場合があるからです。
MIのシステムを使っていただきました。
メジャーメンツインターナショナルが開発した20,000A直流比較器(DCC)レンジエクステンダは、スイスのジュネーブ近くの欧州原子力研究機構(CERN)における大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の直流変流器(DCCT)の校正に使用されている。
カナダの国研(NRC)が最初に考案した設計に基づいてMIは製品開発をしていましたが、20,000 Aレンジエクステンダを開発するために10年以上前CERNがアプローチした。
大型ハドロン衝突型加速器は、宇宙の創造を研究テーマにする高エネルギー物理学実験で素粒子を研究するために設計された円形27kmの粒子加速器です。
MIの創業兼CEOのデュアンブラインは、CERNの技術エンジニアから以下の言葉を受けています
「MIの開発した装置(レンジエクステンダ)がLHCの最も重要なDCCTの評価と校正において不可欠な装置であることを誇りに思います。」
http://mintl.com/about-measurements-international/success-stories/