6.AC抵抗ブリッジ 、 DC抵抗ブリッジ の優位性
精密な抵抗校正を実施する上で抵抗ブリッジを活用することは、この何十年も間で一般的になっています。抵抗ブリッジを運用する上で“DCと比べてACの方がいい”、“ ACと比べてDCの方がいい”とか、いろいろな報告があります。
まとめると.項目によっては、あるタイプのブリッジは優位性があることになります。
検討内容 |
ACブリッジ |
DCブリッジ |
精度 |
+ |
+ |
計測分解能とノイズ |
+ |
+ |
寄生熱起電力による雑音排除の検討 |
O |
+ |
AC 電源からの計測回路への干渉 |
– |
+ |
計測速度 |
+ |
– |
過大なリアクタンス成分がある場合 |
– |
O |
広い計測範囲 |
– |
+ |
一次機関の温度校正 |
+ |
+ |
白金温度計PRTの計測 白金温度計PRTは、その原理から回路に インダクタンス成分が必ず、発生します。 通常のAC計測器では、その成分を除去する処理を 通常、行っています。もちろん、DC計測器では そのような処理は全く、不要。 計測した値が、そのまま計測値になります。 またアルゴン点以下の低温域で使用すると 低抵抗(例えば0.1Ω以下にも)になり、 インダクタンス成分が目立つ値になります。 そのような理由でDCブリッジの優位性が増します。 |
– |
+ |
価格 |
– |
+ |
DCブリッジの優位性、白金抵抗計PRTの計測に関し、
ACブリッジ、DCブリッジの校正結果(Hg点)で約0.7mKの差あったこと、その原因がPRTに内包する湿度が影響している可能性があること、の報告がありました。
DCブリッジの校正能力の優位性を示しています。
CALIBRATION OF SPRTs IN THE SUB-RANGE BETWEEN THE TRIPLE POINT OF Hg AND THE MELTING POINT OF Ga